大人が溶連菌感染症と診断された時、悩ましいのが「仕事」の問題です。「どのくらい休む必要があるのか」「他の人にうつす可能性はいつまで続くのか」。これらの疑問は、自身の体調管理だけでなく、職場への配慮という点からも非常に重要です。まず、溶連菌感染症の出席停止に関する法的な基準についてです。学校保健安全法では、子どもの場合、溶連菌感染症は「条件によっては出席停止の措置が必要と考えられる感染症」に分類されており、その登園・登校の目安は、「適切な抗菌薬治療開始後、24時間を経過し、全身状態が良好であること」とされています。大人の出勤に関しても、明確な法律はありませんが、一般的に、この学校保健安全法の基準に準じて判断されることがほとんどです。つまり、キーポイントは「抗生物質の服用開始から24時間が経過しているか」という点です。溶連菌は、適切な抗生物質を服用し始めると、その感染力は、24時間以内に急速に、そして劇的に低下するとされています。したがって、医学的な観点から言えば、抗生物質を飲み始めてから丸1日が経過し、かつ、高熱や強い倦怠感といった、業務に支障をきたすような全身症状が改善していれば、出勤は可能と判断されます。しかし、これはあくまで最低限の基準です。現実的には、いくつかの点を考慮する必要があります。まず、本人の体調です。抗生物質を飲み始めて24時間経っても、まだ38度以上の熱があったり、喉の痛みがひどくて声が出しにくかったり、体がだるくて集中できなかったりする状態で、無理に出勤しても、良い仕事はできません。回復を遅らせる原因にもなります。通常、全身症状が落ち着くまでには、2日から3日は要することが多いでしょう。また、職場の就業規則や、業種による特性も考慮すべきです。例えば、飲食物を扱う仕事や、医療・介護の現場、あるいは保育・教育の現場など、他者への感染が、より大きな問題となりうる職種の場合は、会社独自の、より厳しい出勤停止基準が設けられている可能性があります。必ず、上司や会社の産業保健スタッフに、診断された旨を報告し、その指示に従うようにしてください。自己判断で出勤するのではなく、医師の診断書や、職場のルールに基づいて適切に判断することが、自身の健康と職場の安全を守ることに繋がります。
仕事は休むべきか?出勤停止の基準と感染力