朝起きると顔がパンパンに腫れぼったい、夕方になると靴下の跡がくっきりと残り、足が重く感じる。多くの人が経験する「むくみ(浮腫)」は、体内の水分バランスが崩れ、皮膚の下の組織(皮下組織)に余分な水分が溜まってしまうことで起こります。塩分の摂りすぎや、長時間の立ち仕事、あるいは女性であれば月経周期の影響など、その原因の多くは、一過性で、特に心配のないものです。しかし、「むくみが何日も続く」「片足だけが異常に腫れる」「息切れや体重増加を伴う」といった、ひどいむくみの場合、その背後には、心臓や腎臓、肝臓といった、生命維持に不可欠な臓器の、重大な病気が隠れている可能性があります。そのため、異常なむくみに気づいた際には、自己判断でマッサージなどでごまかすのではなく、適切な医療機関を受診し、その原因を突き止めることが何よりも重要になります。では、ひどいむくみで悩んだ時、一体、何科を受診すればよいのでしょうか。この症状の厄介な点は、原因となる病気が、非常に多くの診療科の領域にまたがっていることです。そのため、一概に「この科へ行けば間違いない」とは言えません。しかし、多くの場合、最初の窓口として最も適しているのが、幅広い内科系疾患を総合的に診察できる「一般内科」や「総合診療科」です。この記事シリーズでは、むくみの原因となる代表的な病気と、それぞれに対応する専門診療科(循環器内科、腎臓内科、血管外科など)について詳しく解説し、あなたが、そのつらいむくみの原因を解明し、適切な治療へと繋がるための道筋を示します。