夏の体調不良の多くは、セルフケアや休養で改善しますが、中には、医療機関での治療が必要な、あるいは、命に関わる危険な病気のサインが隠れている場合もあります。自己判断で「夏バテだろう」と軽視してしまうと、手遅れになる可能性もあるため、注意が必要です。以下に挙げるような「危険なサイン(レッドフラッグサイン)」が見られた場合は、様子を見ずに、速やかに医療機関を受診してください。【熱中症を疑うサイン】これは、夏の体調不良で、最も緊急性が高い状態です。めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返りに加えて、「ズキンズキンとする激しい頭痛」「吐き気、嘔吐」「体に力が入らない、ぐったりしている」といった症状。体温が非常に高いにもかかわらず、「汗をかいていない」、あるいは「皮膚が赤く、乾いている」。「呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしている」「けいれんを起こしている」。これらの症状は、重症の熱中症(熱射病)のサインであり、ためらわずに救急車を呼ぶ必要があります。【感染性胃腸炎(食中毒)を疑うサイン】下痢や嘔吐が激しく、「水分が全く摂れない」。「38.5度以上の高熱」が続く。「我慢できないほどの激しい腹痛」がある。「便に血液が混じっている(血便)」。これらの症状は、点滴や、場合によっては抗生物質による治療が必要な、重症の胃腸炎の可能性があります。【心臓や脳の病気を疑うサイン】夏の脱水は、血液をドロドロにし、血栓(血の塊)ができやすい状態を作ります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。「突然の激しい胸の痛みや、圧迫感」が、左肩や首に広がる。これは、心筋梗塞のサインかもしれません。「突然、片方の手足がしびれる、力が入らない」「ろれつが回らない」「激しい頭痛」といった症状は、脳卒中のサインです。これらの症状は、いずれも一刻を争う緊急疾患です。【その他の注意すべきサイン】「2週間以上、原因不明のだるさや微熱が続く」。「急激な体重減少」がある。これらの症状は、夏バテ以外の、内科的な病気(感染症、甲状腺疾患、悪性腫瘍など)が隠れている可能性を示唆します。「いつもの夏バテとは、何か違う」「これはおかしい」と、あなた自身や、家族が感じた直感は、非常に重要です。
こんな症状は病院へ!夏の体調不良の危険なサイン