突然襲ってくる38度以上の高熱、つばを飲み込むのもつらいほどの喉の激痛、そして体中がきしむような倦怠感。これらの症状が同時に現れたなら、それは単なる風邪ではなく、「溶連菌感染症」かもしれません。この病気は主に子どもの間で流行しますが、大人も決して無関係ではなく、感染すると子ども以上に重い症状に苦しむことが少なくありません。溶連菌感染症は「A群β溶血性連鎖球菌」という細菌が原因であり、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、早期の診断と適切な治療が不可欠です。では、大人が溶連菌を疑った時、一体何科を受診すればよいのでしょうか。最も一般的な選択肢は二つあります。一つは、かかりつけの「内科」です。内科医は発熱や全身倦怠感といった全身症状を伴う疾患の初期対応に精通しており、総合的な視点から診断と治療を行ってくれます。もう一つの有力な選択肢が、喉の専門家である「耳鼻咽喉科」です。特に、喉の痛みが他の症状に比べて群を抜いて強い場合には、耳鼻咽喉科での専門的な診察と処置が、苦痛を和らげる大きな助けとなります。どちらの科を受診しても、喉の粘液を採取して調べる迅速診断キットによる検査と、原因菌を叩くための抗生物質による基本的な治療は受けられます。重要なのは、自己判断で市販の風邪薬で済ませようとせず、「これはおかしい」と感じたら、速やかにこれらの医療機関のいずれかを受診することです。早期に正しい診断を受け、治療を開始することが、つらい症状からの早期回復と、危険な合併症を予防するための鍵となるのです。