春先になるとやってくる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、そして目のかゆみ。多くの日本人を悩ませる国民病ともいえる花粉症ですが、いざ症状がひどくなって病院へ行こうと思った時、「一体、何科を受診すればいいのだろう?」と迷った経験はありませんか。花粉症の症状は目や鼻、喉など多岐にわたるため、どの診療科が最適なのか分かりにくいものです。結論から言うと、花粉症の診療は複数の科で対応可能ですが、ご自身の最もつらい症状に合わせて選ぶのが良いでしょう。まず、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻の症状が特にひどい場合は、「耳鼻咽喉科(じびいんこうか)」が最も専門的な診療科です。耳鼻咽喉科医は、鼻の粘膜の状態を直接観察できるため、アレルギー性鼻炎の重症度を正確に診断し、症状に合わせた的確な治療を行うことができます。処方される薬も、飲み薬だけでなく、効果の高い点鼻薬を処方してもらえたり、場合によってはレーザー治療などの外科的治療の相談も可能です。次に、目のかゆみ、充血、涙が止まらないといった目の症状が主体の場合は、「眼科」が第一選択となります。眼科では、目のアレルギー症状に特化した強力な点眼薬を処方してもらえるほか、コンタクトレンズを使用している場合の注意点など、専門的なアドバイスを受けることができます。鼻症状も目症状もどちらもつらい、あるいは喉のイガイガや皮膚のかゆみなど、全身に症状が出ている場合は、「内科」や「アレルギー科」を受診するのがおすすめです。特にアレルギー科は、花粉症をはじめとするアレルギー疾患全般の専門家です。血液検査によるアレルゲン(アレルギーの原因物質)の特定や、体質改善を目指す根本治療である舌下免疫療法などの相談もできます。近くにアレルギー科がない場合は、普段からかかりつけの内科でも、一般的な花粉症の飲み薬や点眼・点鼻薬の処方は十分可能です。また、小さなお子さんの場合は、まずは「小児科」に相談しましょう。子供に適した薬の選択や用量の調整をしてもらえます。どの科に行けばいいか迷ったら、まずは最もつらい症状の専門科、あるいは全身の症状を診てくれる内科・アレルギー科を受診するのが賢明な判断と言えるでしょう。早めに専門医に相談し、つらい季節を乗り切りましょう。
花粉症のつらい症状は何科へ?最適な診療科の選び方