患者さんにとって再診は「治療の続き」ですが、医療を提供する病院や医師の側から見ると、再診は質の高い医療を継続的に提供するための根幹をなす、極めて重要なプロセスです。初診が病気という山の麓で登頂ルートを探す作業だとすれば、再診は実際に山を登りながら、地図とコンパスで現在地を確認し、天候の変化に応じてルートを微調整していく作業に例えられます。この地道な確認と修正の繰り返しがなければ、安全に山頂、すなわち病気の快方や安定というゴールにたどり着くことはできません。医師が再診の診察で最も重視しているのは、治療計画の評価と修正、すなわち「PDCAサイクル」を回すことです。初診時に立てた治療計画(Plan)に基づいて投薬などの治療を行い(Do)、再診時にその効果や副作用を患者さんの訴えや検査データから評価(Check)し、必要があれば薬の種類や量、生活指導の内容を修正する(Action)。このサイクルを繰り返すことで、一人ひとりの患者さんに合わせた、より最適化されたオーダーメイドの医療が実現します。例えば、高血圧の治療では、最初に処方した薬が効果不十分であったり、副作用が出たりすることがあります。再診でそれを把握し、別の薬に変更したり、量を調整したりすることで、より良い血圧コントロールを目指すことができるのです。また、再診は患者さんとの信頼関係を構築し、深めていく上でも欠かせません。定期的に顔を合わせ、対話を重ねる中で、患者さんの生活背景や価値観、病気に対する不安などを理解することができます。これにより、単に病気を診るだけでなく、その人全体をサポートする「全人的医療」へとつながっていきます。さらに、再診は医療安全の観点からも重要です。定期的な診察は、病状の悪化や新たな合併症の兆候を早期に発見する機会となります。糖尿病の患者さんの足にできた小さな傷を再診時に発見し、重篤な壊疽に至るのを防いだり、定期的な血液検査で薬による肝機能障害の兆候をいち早く捉えたりするケースは少なくありません。このように、一見すると地味な繰り返しのようにも見える再診ですが、その一つ一つが、医療の質と安全性を担保するための大切なステップとなっているのです。
病院から見た再診の重要性と医療の質