再診は、単に薬をもらいに行ったり、医師に顔を見せに行ったりするだけの場ではありません。それは、自分の病状を正しく評価し、今後の治療方針を医師と共に決定していくための、非常に重要なコミュニケーションの機会です。この限られた診察時間をより有意義なものにするためには、患者さん側にも少しばかりの準備と心構えが求められます。そのほんのひと手間が、治療の質を大きく向上させることにつながるのです。再診前にぜひ実践してほしいのが「自分の体調の振り返りとメモの作成」です。次回の診察までに、医師に伝えたいことをあらかじめ整理しておきましょう。具体的には、まず「前回の診察からの体調の変化」です。症状は良くなったのか、変わらないのか、あるいは悪化したのか。新しい症状は出ていないか。例えば、「二週間前から、朝方に少し動悸がするようになりました」といった具体的な情報をメモしておきます。次に、「処方された薬について」です。薬を飲んでみて、効果は実感できたか、何か気になる副作用(眠気、胃の不快感、発疹など)はなかったか。飲み忘れてしまうことはなかったか。正直に伝えることが、薬の調整や変更を検討する上で重要な情報となります。そして、「医師に質問したいこと」をリストアップしておくことも大切です。病気そのものについての疑問、今後の見通し、日常生活で気をつけるべきことなど、診察室では緊張して忘れてしまいがちです。箇条書きで構わないので、メモに書き出しておきましょう。診察室では、このメモを見ながら、医師に要点を伝えます。「今日は三つお伝えしたいことがあります」と最初に切り出すのも良い方法です。これにより、医師も話の全体像を把握しやすくなります。また、医師の説明で分からないことがあれば、遠慮せずに「それはどういう意味ですか?」と聞き返す勇気を持ちましょう。再診は、医師からの一方的な指示を受ける場ではなく、患者と医師がパートナーとして協働し、最適な治療法を見つけていくプロセスです。主体的に自分の治療に参加するという意識を持つことが、納得のいく医療を受けるための第一歩となるのです。
実りある再診にするための患者の心構え