一歳になったばかりの娘が、ある日の午後、突然三十九度を超える熱を出しました。それまで一度も病気をしたことがなかった私は、ただ事ではないと震える手で小児科の予約を取りました。病院では「喉も赤くないし、耳も大丈夫。突発性発疹かもしれませんね。数日様子を見ましょう」と言われました。そこからが、私にとっての長い戦いの始まりでした。娘の熱は下がる気配を見せず、座薬を使っても数時間で再び熱が上がります。何より辛かったのは、ネットで調べた「突発性発疹のうつる期間」という言葉でした。数日前に支援センターで仲良しのお友達とオモチャを共有して遊んだばかりだったのです。もし娘が原因でその子まで高熱を出してしまったらどうしようという申し訳なさで、看病中も心が休まりませんでした。三日目の夜、ようやく熱が三十七度台まで下がり、ホッとしたのも束の間、娘の顔や背中に薄いピンク色の発疹が浮き出てきました。これが噂に聞く突発だ、と確信した瞬間でした。同時に、娘はこれまでに見たことがないほど不機嫌になり、一日中泣き叫び、抱っこでなければ一秒もじっとしてくれません。いわゆる「不機嫌病」の洗礼です。私は再び小児科へ行き、お友達にうつしてしまった可能性について先生に相談しました。先生は優しく笑って、「突発性発疹はね、お友達同士でうつし合うというより、大人の唾液からうつることがほとんどなんですよ。だからお友達を心配しすぎる必要はありません。それに、発疹が出たということは、もう峠は越えたということ。今日からは他の子にうつす心配もほとんどありませんよ」と教えてくださいました。その言葉を聞いたとき、娘を抱きしめながらボロボロと涙がこぼれました。結局、発疹は三日間ほどで綺麗に消えましたが、その間の隔離生活は私たち親子にとって非常に孤独で過酷なものでした。後で知ったことですが、突発性発疹は「いつの間にか親からうつっているもの」であり、誰のせいでもないのです。もし今、お子さんの高熱を前にして「誰かにうつしてしまったかも」と自分を責めているお母さんがいたら、大丈夫だよと伝えたいです。熱が下がって発疹が出たなら、それは体がウイルスに打ち勝った証拠。うつる期間も終盤です。娘は今、以前よりも少しだけ逞しくなったような顔をして、元気に保育園へ通っています。あの日々は大変でしたが、子供が一つずつ免疫を獲得していく過程を一番近くで見守れたことは、親としての自信にも繋がりました。
初めての突発性発疹でパニックになった私の看病日記と受診記録