その夏、三歳の息子が保育園から手足口病をもらってきたとき、私はどこかで「たかが子供の病気」と高を括っていました。しかし、息子の発疹が消えかかった頃、私の喉にこれまでに経験したことのないような違和感が走り始めました。最初は冷房による乾燥だろうと考えていましたが、数時間後には身体がガタガタと震え始め、熱は一気に四十度近くまで上昇しました。これはいわゆる「大人の手足口病」に違いないと確信したとき、真っ先に悩んだのが何科に行けばいいのかという問題でした。近所の内科へ行くべきか、それともこの不気味な発疹を診てもらうために皮膚科へ行くべきか。結局、私は歩くこともままならない倦怠感から、家から一番近い総合内科を受診することにしました。待合室で震えながら待っている間にも、手のひらに赤い斑点が浮き上がり、それが次第に熱を持って疼き始めました。診察室で先生に症状を伝えると、「大人の場合は本当に辛いですよ」と、同情を含んだ表情で診断を下されました。処方されたのは強力な解熱鎮痛剤と、喉の炎症を抑える薬でした。しかし、本当の地獄は帰宅後に始まりました。手のひらと足の裏にできた水疱が、触れるものすべてを激痛に変えたのです。スマートフォンの画面を操作することさえ指先が痛み、歩こうとすれば足の裏に剣山を押し当てられているような衝撃が走りました。特に喉の口内炎は、水を一口飲むだけで涙が出るほどの苦痛で、大好きな食事も一切受け付けなくなりました。この時、もし皮膚科を受診していたら、もっと別の塗り薬や処置があったのかもしれないと後悔したりもしましたが、内科で脱水を防ぐための具体的な指導を受けられたことは大きな救いでした。結局、熱が下がるまでに三日、痛みが引くまでにさらに四日を要しました。この一週間、私は家の中で這いつくばって移動し、ゼリー飲料だけで命を繋ぎました。会社を長期間休む申し訳なさと、終わりの見えない痛みに精神的にも追い詰められましたが、病院で「必ず治るから」と言われた言葉が唯一の支柱でした。完治してから一ヶ月後、今度は手の爪が根元から剥がれ落ちるという、これまた大人の手足口病特有の後遺症に見舞われ、再び驚かされましたが、これも事前に調べて知っていたため、冷静に対処できました。今回の経験で痛感したのは、大人の手足口病は「病気」というより「災害」に近いということです。もし、これから同じ苦しみに直面する方がいるなら、迷わず内科か皮膚科へ行ってください。そして、自分が最も辛いと感じる症状、熱なのか皮膚の痛みなのかを基準に科を選んでください。大人のプライドなどは捨てて、早めにプロの助けを借りることが、あの地獄のような日々を一日でも短縮する唯一の手段なのです。